プロフィールおかわりvol.29

 現金2万円しかない状態はさすがに、まずいので(実家に逃げ込んだとはいえ)。

何か仕事しないとなと、思っていた矢先、一本の電話です。

 「広島でお店開業したから、手伝いに来て」

「東京キッチン(vol.15あたり)」時代に一緒に働いた、友達からの電話でした。

 この友達が広島でお店を開業したのは、レストランキノシタをやめるときには、すでに聴いてました。なんなら、レストランキノシタをやめるときの言い草は

「友達が飲食店を開業するのでその手伝いに行きます」って言ってやめたくらいです。 

 その友達は「俺がお店始めるときには手伝いに来てくださいね」って約束していたので、私としても、そうしようって思ってました。

が、

なかなか連絡がこない。呼ばれてもいないのに行くわけにもいかないので、とりあえず「九州横断旅行」でもしようかな?と

旅行が終わっても連絡がなく、現金も2万円しかないので

「これはもうどこかで働くか?」と思っていた矢先の

この一本の電話でした。

ボストンバックに下着を7枚いれて、財布には2万円。

「新宿西口小田急ハルク前」から高速夜行バスで

「広島県福山市」行きに乗り込み

バスで一泊し、朝の五時目的地広島県福山市(広尾交差点前)に到着。

携帯電話のナビ機能で(当時のガラケー)友人のお店「ビストロボントレ」に到着したのが朝の6時前。

到着と同時くらいに友人も出勤。

そのまま開店準備⇒開店⇒閉店⇒友人の奥さんの実家に居候⇒出勤⇒開店⇒のくりかえりを7日間。

下着7枚で一週間の予定でしたっが、お店が忙しかったこともあり、私も、別にすぐに帰らなきゃいけない理由も無く(笑)

 では、もうちょっと働かせてもらおうかとそのまま2週間、3週間、、、、。

流石に、友人奥さまの御実家に居候も居心地が悪くなり

それならばと、アパートを借りて1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、、、。

 その当時は何とも思ってませんでしたが、今振り返ってみると

我ながら無茶苦茶だなと思います(笑)。

 ただ、この友人との出逢い、広島県福山市との出逢いは本当にご縁だと思いますし、このボントレでの仕事は私の料理人としての大きな成長となりました。