レストランキノシタ時代の幸せな賄いの話は、置いといて。少しづつ、仕事をさせていただき、すこしづつ前に進むうちに新たな壁が見えてきた。それは「ワイン」。ワインの知識が圧倒的に乏しく、その勉強がほんとに難題でした。ここで私が直面したのは
「勉強する」ということをしてかなかったため机に座って勉強する習慣がないっていう壁でした。自分が好きなことや強く興味があることに対して本を読んだり、調べたりすることは出来ても、教科書を広げて暗記したり理解していくってことがとにかく出来なかった
ワインについて興味はあったし、絶対に学ばなければいけないっていう必要性もあったのに、ワクワクして知りたいっていう動機でする学びとは違い、しなければないって言う動機に対して、必要に駆られているにも関わらず勉強が進めない自分に直面した時、「あぁ~学生時代勉強をしてこなかったツケがこんな形で来たか」って思いました。
勉強をさぼったことによることよりも、「勉強をする」って習慣を持っていないことのツケは大きかったです。何というか、机に座れないのです。集中できないのです。注意散漫になってしまうし、眠くなるし(笑)。
先輩にソムリエ試験のテキストをもらったりしましたが、ぜんぜん勉強できませんでした。
働き始めて一年もたとうって時になっても、一向にワインに対しての知識がつかない自分にあさりつつも、そのころ私は別の方法で存在感を出す方法を考え始めてました。
というのも、ワインの知識をつけることは、フランス料理店で働く以上必須ですし、深い知識や見識が広がれば、働くうえでも存在感を発揮できるのは当然ですが、すでに、ソムリエはいましたし、私が仮にある一定の知識を付けたところで、ソムリエになれるとは思え無くなったいたので、(あきらめたってことです)なので、何か別の知識でお店に必要とされるようになろうって思ってました。
そんな時にやってきたチャンスが、「チーズ」でした。
木下シェフがふとしたときに、チーズを取り扱ってみようか?と言い出したので「ここだ~~!」とばかりに、チーズの勉強を始めて、チーズ専門店へ通いました。
もちろんチーズの勉強といっても深く学べばどこまでも深くありますが、少なくとも、深海に潜るようなワインの勉強よりは、楽しさを感じれましたし、何よりも、ワインでは無理な、「お店での存在感」をこのチーズに懸けるってモチベーションが持てました。
結果的には、それで存在感を出せたわけではなかったですが(笑)。でも、ネガティブ気味に働いていた時から、ポジティブに働き始めるきっかけには、なったと思います。
その他にも、夏休みを使って、長野のハーブ園に行き、実際に使っているハーブの栽培や農園の経営者の方の考えにふれてみたり、茨城の鴨の畜産業を訪ねてみたりと、生産者に方とお話す楽しさや大切さもこのころおぼえました。